私のニューヨーク


羽田空港で
芸能人ごっこに興じる私
「オフは勘弁してください。」


妹が最近悪夢ばかり見るそうだ。
先日は、子供の足首が落ちていて、
恐怖のどん底に陥った夢を見たらしい。
恐い夢を見た後は、再度眠るのが恐くてたまらないという。


妹:…その後、おねーちゃんもどこかに消えて、
 すごく心配になったんだ。
 地面には血の後が点々と続いているんだよ。
 もう恐くて恐くて!
 他にも人に言えないぐらい恐い夢みるんだよ。
姉:ふーん。
そういえば、ちょうどその日の朝、私も夢を見ていた。
私の夢はニューヨークへ行った夢だった。
この夢は、最近、現実世界で、
父と弟がニューヨーク旅行に行ったことが原因だろう。
本当は私も行きたかったのだ。
飛行機にさえ乗れれば。
というわけで、夢は
「飛行機に乗れない」と
私がメソメソ泣いているところからはじまった。
「乗れないよ。だめなんだよ。
 飛行機はだめなんだよ。お母さん。」
でも、その問題を考えることが我ながら
めんどくさくなったらしい。
ここは夢の中だし、そういう現実的なことはナシにして、
おおざっぱにいきましょや!
と判断したんだろう。
なんと。
次の場面では、もうニューヨークに着いていた。
なんの問題もなく。

飛行機から見える空


ニューヨークは行ったことがないので知らなかったが、
まるで自由が丘のようなところだった。
というか、東横線の自由が丘駅前そのものだった。
私は夢の中で、
「いやー!世界のニューヨークもたいしたもんじゃないな。」
と思って元気がでた。
気持ちが大きくなった私は、さっそく、
ショッピングを楽しもうと、
こじゃれたブティックにはいった。
英語力には不安があったが、
このイケイケ気分だったらなんとかなりそうな気がした。
ブティックの店員さんは、驚いたことに
まるでタレントのベッキーだった。
というか、ベッキーそのものだった。
ベッキーは日本語が堪能だ。
もう英語力を気にする必要もなかった。
ベッキーは日本語で、オススメの洋服などを選んでくれた。
ニューヨーク、恐るに足らず!
との確信を、私はますます強めた。
姉:…という夢を、今朝見てたんだ。
妹:おねーちゃんのニューヨーク感って
  随分と安っぽくないか?
いや…。
こうやって後で思い出して語ってみると
確かにそうかもしれないが、
夢を見ている最中は、
本気であれが本物のニューヨークだと信じていたんだ!
安っぽいとか簡単に言うなー!!